学生生活・就職のTOPICS 「恋のくに観光実行企画委員会」での学生たちのまちづくり

「恋のくに観光実行企画委員会」での学生たちのまちづくり

「地元の良さをもっと知ってほしい」「魅力を自分の言葉で伝えたい」――そんな想いを胸に、筑後市での観光やまちづくりに取り組む学生たちがいます。 活動の舞台は、「恋のくに観光実行企画委員会」。本学と筑後市が2015年に結んだ包括連携協定をきっかけに、2018年度から市の要請を受け、多くの学生を派遣してきました。今回はその中でも、複数年にわたって活動を続けてきた3人の学生に話を聞きました。

文学部心理学科4年の髙野加奈恵さん(写真中央)と田中心響さん(写真右)、そして文学部情報社会学科4年の角田亜美さん(写真左)です。実はこの3人、同じ幼稚園出身の幼なじみ。髙野さんと田中さんは大学の授業で再会し、1年生の頃からこの活動に関心がありましたが、カリキュラムの都合で2年生からの参加に。「1年生のときからやりたかったんです!」という熱意を持って、活動をスタートしました。そして1年後、委員会のミーティングで角田さんと偶然再会。その場で初めて、同じ大学に通っていることを知ったといいます。現在は3人それぞれの視点と感性を活かしながら、筑後市の魅力発信に貢献しています。

「地元が好き」という想いが、それぞれの行動に

3人にはもともと「地元の筑後市が好きだ」という共通の思いがありました。その上で、髙野さんは「ボランティアを通していろいろな人と出会い、どんな人が筑後市を支えているのかを知りたい」という気持ちがあり、田中さんは「生まれ育った筑後市について、歴史や特産品などもっとちゃんと知りたい」という思いがありこの活動に参加しました。そして角田さんは、中学生の時に他県に引っ越したのですが、いつも思い出すのは家族の思い出がつまった筑後のことだったといいます。そんな3人が関わってきた活動は、多岐にわたります。

● 市のPR活動に参加 筑後市内だけでなく、県庁や大学で開催されたイベントにも出店し、特産品の販売や観光パンフレットの配布など多くの来場者に筑後の魅力を伝えました。

● 魅力や観光情報のSNS・Web発信 Instagramでは、市内の店舗やイベントの紹介、季節の話題などを投稿。現在ではInstagramのフォロワー数は200から1000人以上へと大きく増加しました。

出店ブースでは久留米絣を使ったくるみボタン制作体験も企画。Instagramでは「恋のくにかるた」の読み句にゆかりのある場所で絵札を撮影したシリーズが人気の企画に
出店ブースでは久留米絣を使ったくるみボタン制作体験も企画。Instagramでは「恋のくにかるた」の読み句にゆかりのある場所で絵札を撮影したシリーズが人気の企画に

 ● おみやげの企画・商品開発 地元企業「九州ダンボール」とのコラボにより、筑後市のキャラクター「はね丸」をモチーフにしたダンボール製のフォトフレームを開発。

 ● 観光スポットの創出 筑後広域公園のフラワーゾーンに、「CHIKUGO」と描かれたベンチを設置。その名も「ちっごい愛のベンチ」。“映えスポット”として多くの写真がInstagramに投稿されました。

かるた大会の賞品として採用されたフォトフレーム。ベンチは多くの写真がInstagramに投稿され”映えスポット”として定着
かるた大会の賞品として採用されたフォトフレーム。ベンチは多くの写真がInstagramに投稿され”映えスポット”として定着

「恋ってなあに?」――絵本に込めた想い

3人が特に力を入れて取り組んだのが、絵本『恋のくに ちくご ものがたり』の制作です。主人公は筑後市のキャラクター「はね丸」。「恋ってなあに?」という疑問を抱え、まちをめぐりながら答えを探していくというストーリーです。キャラクターや物語の構成、デザインに至るまで、メンバーで意見を出し合い、何度も話し合いを重ねて完成させました。この絵本には、「ひと想うまち筑後」の優しさや思いやりが描かれています。「小さい頃から、この絵本を通して筑後のことを好きになってもらえたら嬉しい」と3人は話します。子どもたちが地元を誇りに思うきっかけに――そんな願いも込められています。

絵本の他、紙芝居のデータも作成
絵本の他、紙芝居のデータも作成

WEBブック版はこちらからご覧いただけます。

大学と筑後市との連携

学生たちがここまで力を発揮できたのは、現場での実践に加え、地域の方々との信頼関係があったからです。

 3人は言います。「この活動に長年参加できているのは、市や地域の方々のおかげです。私たちの話に耳を傾けてくれて、『やってみたい!』と言えば、『やってみよう!』と背中を押してくれました。いろいろな提案を受け入れてくださり、たくさん褒めてもらえたことが励みになりました」。

7月に開催された「ちくご恋のくにかるた大会」で主審を務めた髙野さん
7月に開催された「ちくご恋のくにかるた大会」で主審を務めた髙野さん
同じく田中さんも主審を務めました
同じく田中さんも主審を務めました

3人の活動をずっと近くで見守ってきた筑後市役所商工観光課の萩尾拓郎さんは「ここには萩尾さんのコメントが入ります。ここには萩尾さんのコメントが入ります。ここには萩尾さんのコメントが入ります。ここには萩尾さんのコメントが入ります。ここには萩尾さんのコメントが入ります」と語ります。

それぞれの成長、そして未来へ

3人はこの活動をこう振り返ります。

髙野さん:「この活動を通して、年齢を問わずいろいろな方と話せるようになったのが一番の収穫。もちろん就職活動にも活かされました」

田中さん:「もともと引っ込み思案な性格でしたが、班長として人の意見を聞きながらまとめる力や考え方を学ぶことができました。これからも地元と関われる仕事がしたいです」

角田さん:「これまでは人の活動を見て“すごいな”と思うばかりでしたが、この活動は自分と向き合う時間にもなり、自分のしたいことや好きなものを再確認できました」

この活動を通して、地元の歴史や文化、特産物について知れば知るほど筑後が好きになったという3人。「この経験はこれからの人生にも、きっとつながる」。そう語る彼女たちは「卒業後もこの活動を続けたい」と言います。そして今、その想いは後輩たちにも受け継がれ、新たな歩みへと広がっています。