学部・大学院のTOPICS フナイム氏による特別講義を開催【文学部】

フナイム氏による特別講義を開催【文学部】

5月26日、文学部の廣末登非常勤講師が担当する「社会病理学」において、元受刑者で特殊詐欺事件の主犯格であったフナイム氏による特別講義が行われ、文学部の学生約100名が受講しました。

「社会病理学」は社会病理(犯罪や非行をはじめ、虐待、差別など、身近な社会で発生している社会問題)の原因や社会的背景を正しく分析することを目的に開講されています。

一人一人に語りかけるように話すフナイム氏
一人一人に語りかけるように話すフナイム氏
真剣な眼差しで話を聞く学生たち
真剣な眼差しで話を聞く学生たち

近年全国で相次ぐ強盗事件の実行犯に共通しているとみられるのが「闇バイト」です。この「闇バイト」をきっかけに犯罪の道に進んでしまったというフナイム氏の実体験をもとに「罪を犯すということ」というテーマで講義が行われました。フナイム氏は、犯罪に手をつけた動機や詐欺事件の内容について、刑務所での学びや心境の変化について、犯罪者にならないために伝えたいことなど、臨場感あふれる内容で学生たちに熱く語りました。

受刑中にフナイム氏が書いたノートが回覧された
受刑中にフナイム氏が書いたノートが回覧された
じっくりと時間をかけて読む学生の姿も
じっくりと時間をかけて読む学生の姿も

受講した社会福祉学科1年の学生は「自分が気付かない内に犯罪に巻き込まれる危険性があると分かって怖いと思った」と話し、心理学科1年の学生は「目先の欲望に惑わされず将来のことをきちんと考えて行動するようにしたい」と話しました。また、フナイム氏が受刑中に書いたノートを読んだ情報社会学科3年の学生は「日記を読んだら、勉強や資格取得やダイエットなどに真剣に取り組んでいて、最後に必ず『全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて』と書いてあった。フナイムさんの日々の努力が目に見えて心に響いた。もっと多くの人に知って欲しい内容だった」と感想を述べました。

フナイム氏(左)と廣末先生(右)。フナイムという名前は刑務所で呼ばれていた番号「2716」にちなんでいる。フナイム氏は現在、更生支援活動家として慈善活動に取り組んでいる。
フナイム氏(左)と廣末先生(右)。フナイムという名前は刑務所で呼ばれていた番号「2716」にちなんでいる。フナイム氏は現在、更生支援活動家として慈善活動に取り組んでいる。

フナイム氏:今は「利他・正直・感謝」という言葉を胸に、人のために、正直に、感謝の気持ちを持って日々過ごしています。犯罪は破滅しか生みません。みなさんが思っている以上に本当に恐ろしいものです。目先の欲望に囚われず、将来のこと、家族や友だちのことなどよく考えて行動してください。

廣末先生:SNSなどを介して誰しもが「闇バイト」に巻き込まれる危険があり、その危険性を知ってもらいたい、またフナイム氏が必死で更生している姿をリアルに見て欲しいと思って特別講義を行いました。講義の内容を自分なりに咀嚼し、家族や友だち、バイト先などで話してもらい、知見が共有されることを期待します。

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