学部・大学院のTOPICS 国際文化学科の学生が佐世保市を訪問 地域の「いま」と「かつて」を考えるフィールドワークを実施
10月3日、文学部国際文化学科の学生たちが、演習Ⅱ(担当:崎田誠志郎准教授)の授業の一環として、長崎県佐世保市でフィールドワークを実施しました。
演習Ⅱでは、人文地理学分野で卒業論文の作成を希望する学生を対象に、研究テーマの設定や現地調査・分析に向けた基礎固めを行っています。今回のフィールドワークでは、実際に地域を歩き、地形や景観、歴史的な遺構などを観察しながら、地域がどのように形成され、現在どのような意味を持っているのかを考察しました。この日は、授業を受講している3年生15名が佐世保市内を散策したほか、無窮洞、針尾送信所などを訪れました。
佐世保市は、かつては半農半漁の小さな村でしたが、明治時代に佐世保鎮守府が置かれたことを契機に軍港都市として大きく発展しました。その後、造船業などの産業が発展する一方、戦後は観光や歴史的資源など、多様な地域資源を生かしたまちづくりが進められています。
学生たちはまず佐世保市内を歩き、現在のまちの様子を観察しました。
続いて訪れた無窮洞では、旧宮村国民学校の防空壕として整備された洞窟だけでなく、その周辺の地形や地質にも着目しました。
無窮洞周辺では、火山礫凝灰岩を主な構成地質とする火砕岩が分布しており、東側には山地、北側には丘陵地が広がっています。学生たちは航空写真なども用いながら、地形・地質と土地利用を見比べ、地域の自然環境と人々の暮らしや土地利用との関係について考察しました。
最後に訪れた針尾送信所では、巨大な無線塔などの歴史的遺構を実際に見学しながら、「記憶の景観」や「産業景観・遺構の表象」について考察しました。
かつて軍事施設として重要な役割を担った針尾送信所は、現在では歴史的価値を持つ遺構として保存・公開されています。一方で、地域の景観の中では、何が保存され、何が保存されないのか。また、何が記憶され、何が忘れられていくのか。学生たちは、過去と現在で針尾送信所の空間や景観がどのように意味づけられてきたのかという問いを持ちながら、現地を観察していました。
今回のフィールドワークを通して、学生たちは、現地で得た気づきや観察結果をもとに、地域を多角的に捉える視点を養いました。実際に地域を歩き、自然環境や土地利用、歴史、景観などを関連づけて考える経験を通じて、今後の現地調査や卒業論文の研究につながる基礎を学びました。