研究・産学官連携の研究TOPICS 小児患者の不安軽減へ 手術室までおもちゃの車で移動する新たな取り組みを開始しました

小児患者の不安軽減へ 手術室までおもちゃの車で移動する新たな取り組みを開始しました

久留米大学病院では2025年11月より、小児患者さんが手術室へ向かう際に、おもちゃの電動車(ライドオンカー)に乗って移動できる取り組みを始めました。

この取り組みは中央手術部の看護師長の発案によるもので、非日常的な環境である手術室に向かう際、子どもたちの不安や恐怖心を少しでも和らげることを目的としています。

海外、特にアメリカの小児専門病院などでは徐々に導入例が見られますが、国内ではまだ多くない状況です。また、先行研究では、2歳から5歳の小児において、手術室までの移送をライドオンカーに変えることで不安が軽減されたとする報告もあり、こうした工夫の有用性が示唆されています。

病衣を着て手術室に向かう様子
入口で本人確認

本格運用に伴い、12月11日には報道関係者向けの試乗会を開催しました。当日は病院職員の家族が患者役となり、実際にライドオンカーを運転して手術室まで移動するデモンストレーションを実施。子どもたちが楽しそうにハンドルを握りながら手術室へ向かう様子が公開されました。

導入したライドオンカーは赤と青の2台
導入したライドオンカーは赤と青の2台
ニコニコ笑顔で手術室へ出発
ニコニコ笑顔で手術室へ出発
自分で運転もできます
自分で運転もできます
お母さんにだっこされて手術台へ
お母さんにだっこされて手術台へ
ここにゴロンってしようね
ここにゴロンってしようね
泣かずに手術の準備ができました
泣かずに手術の準備ができました

導入から1か月が経過し、現場では、これまで緊張で固まっていたお子さんが車を見るなり目を輝かせて駆け寄る姿や、その変化に思わず笑顔になった保護者がビデオを撮影しながら見送る光景も見られているとのことです。また、以前に手術を受けたことのあるお子さんの保護者からは、「前回は泣いて嫌がって大変だったのに、今日は自分から車に乗って行ってくれたのでとても安心しました」といった声も寄せられています。

看護師長は「手術室というのは、子どもにとって非日常で、どうしても恐怖心が強く出やすい環境です。まだ始まったばかりではありますが、子どもたちが笑顔で手術室に向かえる環境づくりを、これからもスタッフ全員で続けていきたいと思っています」とコメントしました。

今後も久留米大学病院は、患者さんとご家族が安心して医療を受けられる環境づくりに努めてまいります。

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