研究・産学官連携の産学官連携TOPICS 第3回 久留米大学・久留米高専 交流会を開催

第3回 久留米大学・久留米高専 交流会を開催

9月14日、本学旭町キャンパスにおいて、本学と久留米工業高等専門学校(以下、久留米高専)による「医文工連携」の交流会を開催しました。

1939年(昭和14年)に久留米高等工業学校として設立された久留米高専は、全国の高等専門学校に先駆けて開設された歴史を持ち、筑後川を挟んで本学旭町キャンパスの対岸に位置しています。一方、本学は1928年(昭和3年)に九州医学専門学校として設立されました。

両校は、株式会社ブリヂストン創業者・石橋正二郎氏ご兄弟による土地・建物の寄贈という共通のルーツを持ち、「高等教育コンソーシアム久留米」などを通じて、地域の高等教育を支える機関として連携しています。

今回の交流会には、医学・文系分野を有する本学と、工学分野を専門とする久留米高専から、それぞれ異なる専門分野の研究者が参加しました。3回目となる今回は、両校の研究者がそれぞれの専門性や研究内容を紹介する講演に加え、医療現場の課題やニーズを起点に、工学・情報技術をどのように活用できるかを考えるオープンディスカッションを行いました。分野の垣根を越えた意見交換を通して、両校の連携によって生まれる研究の広がりや、新たな共同研究の可能性について共有する機会となりました。


開会挨拶する久留米大学 安陪常務理事
開会挨拶する久留米大学 安陪常務理事
 

はじめに、本学の安陪常務理事が開会挨拶を行い、両校から多様な専門分野の研究者が集まり、互いの知見や技術を共有することの意義について述べました。特に、医療現場が抱える課題を医学の視点だけで捉えるのではなく、工学や情報分野など異なる専門性を組み合わせることで、新たな解決策や研究の可能性が生まれることに触れ、分野を越えた連携の重要性を強調しました。

続いて、本学の山本副学長と久留米高専の谷野副校長から、それぞれの学校の教育・研究活動や特色、これまでの取り組みについて紹介しました。両校が培ってきた歴史やそれぞれの強みを知ることで、互いの理解を深め、今後の連携につながる情報を共有しました。また交流をきっかけとして、研究者同士のつながりを深め、具体的な共同研究や新たな取り組みへと発展させていくことへの期待を示しました。


久留米大学について説明する 山本健副学長
久留米大学について説明する 山本健副学長
久留米高専について説明する 谷野忠和副校長
久留米高専について説明する 谷野忠和副校長

講演Ⅰ:「医療現場の『ほしい』を高専の『技術』で形に」

仕垣隆浩助教(久留米大学外科学講座消化器外科部門)
仕垣隆浩助教(久留米大学外科学講座消化器外科部門)
久留米大学・久留米高専が連携し力を合わせて
久留米大学・久留米高専が連携し力を合わせて

仕垣隆浩助教(久留米大学外科学講座消化器外科部門)が、「医療現場の『ほしい』を高専の『技術』で形に」をテーマに講演しました。

本学と久留米高専が取り組む「医文工連携」の具体的な事例として、「オペレコイラスト自動生成アプリ」の開発について紹介しました。

外科医が作成する「オペレコ(手術記録)」には、手術の状況を分かりやすく伝えるイラストが欠かせません。一方で、イラストの作成には時間と手間がかかり、医師の業務負担の一因となっています。

そこで、医療現場の「こんなものがあれば」という声を出発点に、久留米高専の技術力と本学の医学的知見を組み合わせ、課題解決に取り組んでいます。

開発中のアプリでは、臓器や血管などのパーツを組み合わせて手術のイラストを作成でき、将来的には手術記録のテキストからイラストの下書きを自動生成する仕組みを目指しています。医文工連携から生まれる新たな可能性について、熱のこもった講演となりました。


講演Ⅱ:「デジタルファブリケーションによるものづくり~3DCADから3Dプリンターまで~」

田中準一技術専門職員(久留米高専教育研究支援センター)
田中準一技術専門職員(久留米高専教育研究支援センター)
医文工連携構想
医文工連携構想

田中準一技術専門職員(久留米高専教育研究支援センター)が、「デジタルファブリケーションによるものづくり~3DCADから3Dプリンターまで~」をテーマに講演しました。

3DCADで設計したデータをもとに、3Dプリンターやレーザー加工機などを活用して形にする「デジタルファブリケーション」について紹介。複雑な形状の製作や試作品の作成を効率的に行えることなど、その特徴と活用事例について説明しました。

また、久留米高専で行われている機関車モデルの復元や公開講座など、デジタル技術を生かしたさまざまなものづくりの実践例を紹介しました。

質疑応答では、医療現場で使用するデバイスの試作や、3Dプリンターで製作した部品の強度解析など、医学と工学を組み合わせた具体的な連携について意見が交わされました。


オープンディスカッション

活発な意見を交わすオープンディスカッションの様子
活発な意見を交わすオープンディスカッションの様子
 
 
 

続いて行われたオープンディスカッションでは、本学より福本義弘教授(内科学講座心臓・血管内科部門)、吉田茂生主任教授(眼科学講座)、藤吉健司助教(外科学講座消化器外科部門)、久留米高専より越地尚宏特任教授(電気電子工学科)、古賀裕章准教授(制御情報工学科)、上野虎太郎助教(機械工学科)が登壇し、医療現場が抱える課題やニーズを起点に、工学・情報技術を活用した新たな可能性について活発な意見交換を行いました。

心臓リハビリテーションの遠隔化や、高齢者の運動を支援するロボット・デバイス、眼底画像を活用した全身疾患の予測、患者自身が医療情報を継続的に管理できるアプリなど、医療側から具体的なニーズが示されました。

これに対し、AIによる画像解析、3DCADや3Dプリンター、センサー、ロボット、電子デバイスなど、工学・情報分野の技術をどのように組み合わせ、実際の医療に役立つ形へつなげていくかについて議論が交わされました。

分野の垣根を越えた対話を通じて、「医文工連携」の意義と、今後のさらなる発展に向けた期待が共有される時間となりました。


閉会の挨拶をする久留米高専 南新平校長
閉会の挨拶をする久留米高専 南新平校長
会場となった教育1号館より、久留米高専を望む
会場となった教育1号館より、久留米高専を望む

最後に、久留米高専の南校長が閉会の挨拶を行い、今回の交流会を通じて、両校の研究者がそれぞれの専門分野や知見を共有し、分野を越えて意見を交わすことができたことへの意義を述べました。

また、今回の交流を一過性のものに終わらせることなく、今後も両校の連携を深め、共同研究や新たな取り組みへと発展させていくことへの期待を示しました。


第3回 久留米大学・久留米高専 交流会 (PDF)
第2回 久留米高専と「医文工」連携の交流会を開催 TOPICS 久留米高専と「医文工」連携の交流会を開催しました。 https://www.kurume-u.ac.jp/joint/topics/collabo/68d9f1d0b74269cdf6a11b4e/
久留米高専と「医文工」連携の交流会を開催 TOPICS 久留米高専と「医文工」連携の交流会を開催しました。 https://www.kurume-u.ac.jp/joint/topics/collabo/66f62dfb971d91daedddb68c/

産学官連携TOPICS

TOPICS:第3回 久留米大学・久留米高専 交流会を開催